わずかな水を使って食品を温める?ホットイートの備蓄を勧める理由
避難所で多く聞かれた言葉。
「温かい食べ物を食べれることがこんなに幸せだなんて」
東日本大震災では1週間以上も温かい食べ物を食べれなかった人が多くいました。
普段は気付かないことですが、温かいものを食べれないことは大変ストレスなことなのです。
そこで備蓄にオススメしたいのが「ホットイート」です。
これさえあれば、非常時でも暖かい食べ物や飲み物を食べることができますよ。
防災グッズのホットイートって何?
ぜひとも各家庭に備蓄していてほしいホットイート。
ホットイートはわずかな水で缶詰やレトルト食品、パックご飯などを温めることができる防災グッズです。
原理としては水と科学反応して熱を発する発熱剤で、袋の中が熱い蒸気で満たされることによって、中のものが温められるようです。
なので火や電気が必要ないのですね。
使用する水の量はわずか150ml。
一番いいのは水道水やミネラルウォーターなどの不純物が少ない水ですが、どうしても水がないときは雨水や川の水でも代用できます。
ただし、海水での使用はできないみたいですね。
中には専用発熱剤と取り扱い説明書が入っています。
取り扱い説明書からいくつか、かいつまんで説明していきます。
ホットイートで1度に温められる量
1度に温められる量は2食分。
内訳はレトルト食品2個、パックご飯2個、缶飲料2本までなら1度に温めることができるよう。
今回は1食分(レトルトカレー1個、アルファ米1個、コンポタージュ1本)で試してみましたので気になる方は最後までご覧くださいね。
ホットイートで温められるもの
市販の調理済み食品(缶詰やレトルト食品など)はもちろんですが、おにぎりなども耐熱袋に入れれば温めることができます。
蒸気で温めるので基本的に密封されてる必要がありますので、コンビニのおにぎりなどは耐熱袋に入れて温めた方が良さそうですね。
ちなみジップロックの耐熱温度は100度ですので、発熱剤や蒸気に直接当たらない上のほうの位置に置けば代用することができるでしょう。
ホットイートで温められないもの
発熱剤はかなりの熱を発します。
ですので、耐熱温度の低いペットボトルや紙パック、瓶などでの使用は避けましょう。
また、蒸気で内部が満たされますので、密閉されていない食品はびちゃびちゃになる可能性があります。
あと、ホットイートはあくまでも温めるだけです。
生肉や生魚などの加熱ができるということではないので、必ず調理済みの食品に使用しましょう。
ホットイートの使い方
それでは実際に使ってみた様子です。
まず、専用発熱剤とかかれた袋から中身を取り出します。
見た目はホッカイロみたいですね。
このホッカイロみたいな発熱剤を加熱袋の一番下にを置きます。
その上に温めたい食材を重ねて準備は完了です。
今回はレトルトカレー1個、アルファ米1個、コンポタージュ1本の1食分で試してみました。
コンポタも含めて全て常温の状態です。
この日は13℃でしたので、コンポタやレトルトの常温もだいたい13℃ぐらいと考えていただければいいでしょう。
アルファ米には水を指定量入れてます。
この段階で測った温度は8.8℃。
冷蔵庫の水を使用したため少し低めです。
アルファ米は水から戻すと食べれる状態になるまで45分から60分かかります。
詳しくは水だけでアルファ米を戻して食べた記事参照
熱湯で戻す場合は15分かかりますが、ホットイートで温めた場合はどうなるのでしょうか?
ちなみにホットイートは約20分間発熱します。
20分間温めれば十分食べれるようになるのではないかという予測しています。
袋に発熱剤と温めたい食材を入れたら水を入れるのですが、発熱剤が入っていた袋に軽量線がついてますのでそれで水の量を測ることができます。
細かな心配りがいいですね。
袋で測った水の量を調べてみたら、だいたい150mlぐらいでした。
水を入れたらすぐに加熱袋のチャックを閉めてください。
意外とすぐに発熱はせずに、だいたい1分ほどで蒸気が出てきました。
袋上部には蒸気の逃がし口がありますが、かなり高温の蒸気が噴き出ていますので火傷には注意してくださいね。
中の蒸気温度は89.6℃でしたので、発熱剤付近は100℃を超えてると思います。
もちろん袋自体も熱くなっているので、小さなお子様などが触らないように注意してください。
20分ほどで蒸気は収まります。
ただし、まだ中は熱くなっていますので取り出す際は注意してください。
それでは食材が温まったのか一つずつ温度を測っていきましょう。
まず最初はコーンポタージュからです。
持った感じは十分熱いので期待が高まります。
なんと72.7度もありました。
そのままグビグビ飲めば火傷するぐらい温まっています。
続いてレトルトカレー。
ちなみにこちらのレトルトカレーは温めずに食べられるレトルトカレーです。
温めずに食べた記事はこちらを参照。
こちらも68.8℃で十分温まっています。
最後にアルファ米。
こちらは温度もそうですが、水の状態から20分で食べれる状態になっているのかもポイントです。
結果は温度は60℃で、さらに十分に食べれる状態に戻っていました。
配置の影響もあるのかもしれませんが、コーンポタージュは熱々、レトルトカレーとアルファ米は熱々まではいかなくとも十分に温かいという結果になりました。
濡れタオルを一緒に入れておけば、食後に温かいタオルで体を拭くなど応用も利きそうです。
どれぐらい備蓄すればいい?
個人的にホットイートは最終手段として備蓄しておく程度でいいのかなと思います。
ベースとしてはやはりカセットコンロとカセットガスを常備しておくのがいいでしょう。
やはり火が使えるという点に勝るものはありません。
ただし、カセットコンロはかさばるし重量もありますので、避難セットに入れておくという点ではホットイートは便利です。
外側の袋は耐久性があり、10回程度は問題なく使えますし、発熱剤だけの別売りもあります。
外側の袋を予備も含めて2枚(袋はいろんな用途があるのであると便利です)、発熱剤は5個程度あれば十分でしょう。